優待族には二種類の種族がいるって知ってました?

株主優待愛好家、またの名を優待族。
株主優待を実施している銘柄をコレクションし、日々届く配当&優待を心待ちにして過ごす人々のことです。

桐谷さんがTVでメジャーになったこともあり、その存在はけっこう認知され、また徐々に広がっていきつつあるようです。
(とはいってもまだまだ超のつく少数派ですが)

株式投資をやってる」と言うと「えぇぇっ!?」ってドン引きされる一般ピーポーでも、
「いや、株主優待でクオカとかお米とか毎年もらってんの」と言い直せば
「あぁ、なんか自転車で全力漕ぎしてた・・・なんだっけ、名前忘れたけど、あんな感じ?」
「そうそう、売ったり買ったりじゃなくて、買ってずっと持っとく感じ」
みたいに、一瞬凍りかけたその場の雰囲気が多少は緩和されます。


でも、その優待族と一口に言いましても、実は大きく二つに大別される、ってのはご存知でしょうか?
私の知る限り、その認識すらない方が優待族の中にも少なからずおられるようにお見受けしますが。



私が勝手に命名させていただくなら、「コレクター系」「バリュー系」でしょうか。

同じ優待族でありながら、この二つは真逆の価値観というか、全く相いれない関係でもあります。


「コレクター系」とは、まずもらえる優待から入る人々。
第一の選択基準はもらえる優待の優秀度であり、多少の割高感や財務には目をつぶって踏み込みます。

この系列の必須銘柄といえば吉野家マクドダイドードリンコ、キャンドゥ、コロワイドあたりでしょうか。

桐谷さんはじめ、著名な優待族の方はこちらの種族が多い気がします。


一方、「バリュー系」はまず割安で財務も健全でなければ買う意味がない、まず投資対象として検討に値する銘柄であって、その上でおまけに優待がくっついていてより高利回りになっているものが好み、というタイプ。
ちょっと「コレクター系」を小バカにしてる面もなきにしもあらず?(汗)

好みの銘柄としてはきょくとう、八洲電機、ミューチュアル、自動車部品各社あたりでしょうか。


私自身は、といえばもちろん後者に属しています。

とかいいながらビックカメラとかRIZAPとか持ってますが、まぁ鉄の掟にしばられてるわけでもないですし(汗)
自分で何をやってるのか理解してる分には細かいことは気にしなくてもいいのかと思ってます。



ただ、前者に属しておられる方で、最近株式投資を始めた方、そしてこの二つの違いを認識しておられない方はちょっと注意が必要かと。

株でも不動産でも、投資と名がつくものは全て、自分がとっているリスクをしっかり認識しておくことが必要です。

一番わかりやすい例でいえば、マクドナルドやコロワイドが何かの事情で優待廃止を発表した場合、株価はどこまで落ちますかね?  っていう話。
「いやいや、マクドが優待廃止なんてしないでしょ」
と思われるかもしれませんが、そう思うのは買う側の勝手。

少なくとも会社側にはいつでも優待を縮小or廃止する権利がありますし、リスク想定は常に最悪を想定しておかなくてはなりません。


そういう銘柄に投資してはいませんか?
そんな銘柄が優待廃止に踏み切った場合、どのくらいの損失を覚悟しておく必要がありそうですか?
ポートフォリオ全体の中で、そんな銘柄がどのくらいを占めていますか?
リーマンショックみたいなのがまた起こって、そんな銘柄が連鎖的に次から次へと優待廃止&株価大暴落となった場合、最大損失はどの程度が見込まれますか?
その損失にメンタル的&家計的に耐えられますか?

その辺りの話、まだ一度も考えたことのない方はぜひ一度、ゆっくり考えてみていただきたいと思います。


優待投資といえども株式投資

けっしてノーリスクで毎年いろんなものを頂けるわけではありません。
リスクを承知で、それを乗り越えていくからこそ、その果実を得られるわけなんです。

そして現時点でリスクが表面化することなく果実が得られているからといって、「すでに成功した」と言えるわけではありません。
来年、あるいは来月はたまた明日。
そのリスクが思いっきり表面化してしまう可能性は絶対に想定しておかなければいけません。


TVや雑誌、あるいは証券会社でよく見かける「お勧め!!今月権利の優待銘柄!!」的なコーナー。
冷静な目でながめてみてください。

正直、ゴミばっかですよ。



ていうか「今月権利の銘柄」なんてまともな投資家なら買わねーだろ普通、とかね。