株主優待制度の裏側で・・・ 〜日経コラムより

少し前の話になりますが、12/22日経朝刊のコラム「一目均衡」にちょっと気になるコラムがありました。

コラムの前半は最近、話題を耳にすることの多い株式持ち合い解消について。
その弊害があちこちで指摘され、解消へ向けた動きが加速している昨今ですが、「持ち合い解消の「精神」が置き去りになっている」「問題を骨抜きにするような動きが見受けられる」と。

以下引用
「一例が昨今盛んな個人株主づくり。個人を自社株買いと並ぶ持ち合い解消の受け皿とみて、優待制度などを導入する企業が増えている。経営参加の動機づけが薄く個々の発言力も弱い個人は、持ち合い株主に代わる存在として企業には都合がいいが、企業統治の面ではあまり変わらない。
個人株主づくりと将来の業績の関係を分析した石川博行・大阪市立大学教授の研究が興味深い。20年間のデータに基づく検証によると、優待制度や売買単位の引き下げなどで個人株主を増やした企業は、翌期以降、明らかに業績が悪化する傾向があるという。
その一因として考えられるのが経営規律の低下。個人持ち株比率が大きく上昇した企業ほど、株主総会では取締役の選任議案で議決権の不行使率が高くなる。
石川教授は「個人株主づくりの裏には、物言う株主の圧力から逃れたいという経営者の本音や自信のなさがある」と指摘する。」

優待銘柄コレクターには耳が痛い指摘です。
幸いにして、私の保有株では必ずしもこの傾向はあてはまりませんが、このコラムはしっかりと記憶の片隅に刻みつけておく必要があるでしょう。

この問題を一気に解決できるような方法はないでしょうが、少なくとも、投票率の低下と同じく草の根レベルで、個々人が地道に議決権行使を心がけていかなければいけませんね。