炎上覚悟で言いたい。格差は縮小してると思う。 

けっこうあちこちで紹介されてたこのコラム。
http://toyokeizai.net/articles/-/93693

うなづける点もありつつ、私の感覚とは違う面もありつつ、最後の結論は私の発想とはまるで違っていて。

日本だけに限らず、あちこちで格差の拡大が叫ばれてますが、私は今、世界で起こっていることは格差の縮小だと認識しています。
つまり、グローバル化による日本やアメリカの一般労働者と、インドや東南アジアの一般労働者の間の格差縮小です。

この大前提を抜きにして、例えば日本国内だけにフォーカスしてみれば、格差が拡大していっているように見えるかもしれません。

でも、今世界で起こっていることは先進国と新興国の労働者の間での格差縮小であり、その流れにあらがうことはできないという前提にたてば、日本国内で格差の拡大をいくら問題視してみたところで意味のない議論にしかならないと思います。
それは日本国内だけでどうにかできる問題ではありませんし、あらがうべきでもないと思います。
この流れを止める、というのは極論すれば「私たち先進国の労働者の既得権益を脅かすことは許さない。発展途上国の貧乏人はそのまま貧乏なままでいろ。1日1ドル以下の生活をしている人々はそのまま1日1ドル以下で生活してればいい」というのと同義です。

私たち先進国の一般労働者がとるべき選択は格差の拡大にあらがうことではありません。
この大きな流れをしっかり認識して、それをありのままに受け入れた上で、自分に何ができるのかを自分の頭でしっかり考えることではないでしょうか。

私たち日本人労働者の給料は、これから下がることはあっても上がることはありません。
それはもうどうすることもできない厳然たる事実です。

その一方で、冷静に見れば、今現在、私たちは世界の中で圧倒的に優位なポジションにいます。
中卒アルバイトでも時給1000円の収入にありつくことは難しくない、そんなポジションにいるのはおそらく世界で10%もいないでしょう。

私たちがとるべき道は、日本国内にフォーカスして格差拡大にあらがうことではありません。
今さら組合活動とか何の意味があるんでしょうか。
ピケティさんが労働者に対する資本家の優位を今さら証明してくれたことからもわかりますよね。

私たちがとるべき道は、この今現在の優位を最大限に活かすことです。
つまり、労働者として新興国ではまず考えられない水準の高給(?)を得ながら、資本家としてのポジションをとることです。
例えば株式投資で企業の共同オーナーとしての資本家の顔も持つ。
例えば不動産投資で資本家としての顔も持つ。

今や数千万・数億のまとまった資本をもたなければ資本家にはなれない時代ではありません。
500円・千円レベルから株式やREITに投資でき、小さな資本家になることができる時代です。

前述のコラムの結論「格差が拡大しないような方策を検討すべき」は政府・社会がとるべき方策はともかくとして、個々人がとるべき道とは完全にずれているように思います。
私たち個人がとるべき道は「(日本国内にフォーカスすれば)格差拡大」はもう避けられない現実としてありのままに受け入れ、自分にできる対策を考えることです。
株式投資でも不動産投資でも、それが十二分に可能な時代に生きる幸運に恵まれているわけなんですから。


中卒コンビニバイトでも例えば深夜勤務にして強引に時給をかさ上げし、労働時間を増やして生活費を切り詰めれば数年で1千万程度の貯金は積み上げられます。
インドや東南アジアの底辺層が1千万円の資金を貯めたい、と思えば、一か八かで大きな借金を背負って起業するか、裏社会に足を踏み入れて(おそらく9割方生命を失うリスクを冒しながら)のし上がるしかないでしょう。
その一方で私たちは何のスキルも才能もない中卒バイトでもただひたすらに頑張って稼ぎ、生活費を切り詰めるだけで10年もかからずに2千万程度の資金は貯めることができる国に生きています。
ついでに10年に一度くらいはそんな私たちのための(?)株式大バーゲンセールを株式市場は開催してくれます。
(etc. 9.11米テロ、ライブドアショックリーマンショック、他にはとても喜ぶことはできませんけど東北大震災なんかも)

現代日本に生まれた、この幸運を生かさない手はないですよね。