あえてインデックス投資を批判してみるテスト。

最近、アンチインデックスな方のコラムをいくつか目にする機会がありました。

ただ。


私自身は運用資金の半分がインデックス投信・ETFですが、どちらかと言えば個別株派だと認識しています。
その私の目から見ても、正直、上記のコラムは説得力に欠ける内容のものが多かったんですよね。

まっとうで質の高い議論からはインデックス派もアンチ派も、得られるものはあるはずなんですが、この内容では・・・ と。


ということで、ちょっと思い立って、あえてインデックス派批判(?)側から書いてみたいと思います。



批判と言いましても、「インデックス投資なんてダメ!!」というのはちょっと無理。
やっぱりなんだかんだ言って優秀な商品には違いないですし。

今回はインデックス派の主張から、私が個人的に少しばかりの違和感を覚える点にしぼってみます。



今回、取り上げるのは次の二点。

インデックス投資は手間いらず。
  個別株派が企業分析などに時間を消費しているその間も、インデックス派は家族と過ごす時間や趣味に時間をかけることができる。

インデックス投資ならメンタル的に楽。
  下落相場や金融危機時にも、ひたすらドルコストで積み立てるのみ。迷いがなく、やるべきことははっきりしていて、精神的に楽。


この二点、アンチ派との議論になれば必ずと言っていいほど出てくる主張の一つですよね。
この主張に私なりの批判を加えてみたいと思います。




まず①インデックス投資は手間いらず。

「手間をかける」ことに意味があるんじゃないですかね。
その過程が楽しいし、それがうまく行ったときは本当に満足・・・・ ってのは単に私の趣味の問題ですが、では、他の皆さんは投資以外でも「手間をかける」ことはひたすら避けておられるんでしょうか?

例えば英会話や資格の勉強など、スキルアップのための努力。
例えば趣味でやってる競技の実力向上のための努力。

これらも言ってみれば「手間」ですよね。
でも、皆さんはこの手間を惜しんではいないはず。

それは手間に見合った成果を期待できるからかもしれません。

投資もそれは同じことではないでしょうか?

銘柄選択・分析の過程で、得られる経済や世界情勢の知識・センス(or肌感覚?)は、本業の仕事にも少なからぬ好影響をもたらすのではないでしょうか。
私はここにある程度の「手間」をかける意味は十分にあるように思います。


ちょっと話はそれますが、私は知り合いの学生たちに端株でのバイ&ホールドを勧めています。
(もちろん、採用する学生はほぼ皆無ですが・・・汗)

無理のない金額で、例えば毎月5千円を投資したとして、年6万円、4年で計24万円。
仮に投資先が全て倒産して元本を全損したとしても、それは社会人になれば一瞬で取り戻せる金額にすぎません。

それでいて、精緻でなくとも自分なりに企業分析をした経験や、自分のお金をリスクにさらしながら4年間経済情勢を見守った肌感覚は、間違いなく大きな財産になります。
その経験は他の学生との大きな差を生んでいるはずです。


ということで、家族と過ごす時間や趣味に費やす時間ももちろん大切ですけど、それを全て犠牲にするのではなく、ほんの一部を投資のための時間に費やすのも無意味なことではないんじゃないの? っていうのが私の意見です。


インデックス投資ならメンタル的に楽。

これって、ホントにそうだと思いますか?
「相場環境・経済情勢に関わらず、ひたすらドルコストを積み立てるだけ」
それって、ホントに簡単なことだと思いますか?

私はそうは思いません。

もちろん、「え? 簡単だし、実際に私はそうやってるよ」という方はインデックス派には数多くおられるでしょう。
でも、もう一度振り返ってみてください。
なぜあなたはそれを「簡単に」できているんでしょうか?

それは今までの経験に基づいて、インデックス投資の優秀性を肌感覚で理解しておられるからだと推察します。

初心者がインデックス派の教えを受けて、インデックス投資の優秀性を理解したつもりになってドルコストで積み立てていたとして、リーマンショック級の大波に襲われた場合を考えてみてください。
平常心を保ち、インデックス投資の優秀性を信じて心揺らすことなく淡々と積立を継続するのは決して簡単なことではないはずです。


私に関して言えば、個別株投資で「インデックス投資を上回ることの難しさ」を身をもって体験し、インデックス投資の優秀性を痛感してきたからこそ、その優秀性を肌感覚で理解することができていますし、第二のリーマンショックに襲われても、平常心で積立を継続できる、と自信を持って言えるのです。
これは少なからぬインデックス派の方にも当てはまることではないのでしょうか?

インデックス投資を上回る投資成績をあげるために努力し、もがき苦しんだ経験があってこそ、インデックス投資の優秀性を体で理解できてこそ、はじめて「メンタル的に楽」な境地に到達できるのだと私は思います。



ということで、私は少なくとも日本株部分に関しては、(運用資金の一部でいいので)個別株投資をお勧めしたいです。
無理のない金額で、私のような端株投資で構いませんので、そこに手間をかけ、時間と労力を費やす意味は大いにある、と主張したいです。



以上、あまりアンチインデックスでもない中途半端な立場の個別派の、インデックス批判(?)でした。
最後まで読んでいただいた皆様、長文駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。


※ ちなみに私の現状のポートフォリオは日本個別株4割・優待コレクション1割・海外先進国株インデックス(ETF含む)3割・新興国株2割です。