老後はマレーシアで悠々自適?

老後は温暖な気候で物価も安いマレーシアへ移住して、メイドもいる、庭・プール付の広い自宅で悠々自適の優雅な生活を〜

こんな選択肢がメディアで紹介される機会がここ数年増えた気がします。
実際に移住した人を取材した内容もよく目にしますし、中には自宅も売り払い、日本国内の全資産を携えて「完全移籍」する人も少なからずおられるんだとか。

先日のJBプレスでは「マレーシアのロングステイビザを取得した国別ランキングで日本が1位になった」との報道もありました(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35623)。


自己資金が3000万もあれば、十分にやっていける、なんていう報道すらあります。


残念ながら私の資産はまだまだその3000万にも遠いですし、近い将来に具体的に検討課題にのぼることはないでしょう。

でも、それ以前の問題として、移住自体が本当にそんな夢あふれる話なのか、っていう疑問も少なからず感じます。



単純に、外国移住につきまとう不安、文化の違い・制度の違いや治安その他、そのようなものは誰でも思いつくでしょう。
その辺は実際に移住した方、今検討しておられる方も十分に考慮しておられるはずです。

でも、それだけじゃない気もします。


例えば、高度経済成長前、ドル円は1ドル360円だった時代がありました。
近年では人民元にもずっと上昇圧力がかかっています。

為替変動には数えきれないほどの要因がありますが、私は「経済成長は長い目で見れば通貨上昇を伴う」と考えています。
また、中国でも東南アジアでも、経済発展と共に労働者の賃金水準にも上昇圧力がかかってきています。

発展途上国のマレーシアと、これから超高齢社会・人口減少社会となっていく日本のどちらがより高い経済成長が見込めるのか。
そしてマレーシアのメイドはじめ労働者の賃金水準が今後どのような推移をたどるのか。

考えてみると、けっこう怖い話にも思えます。



前述の「3000万円もあれば〜」ってのは、為替水準とマレーシアの賃金水準がこれからもずっと現状と大きく変わらないことを前提にした話です。
この言葉をうのみにして、定年退職した夫婦が自宅を売り払って移住する。


さて。



いいんでしょうか。

本当にそれでいいんでしょうか。




ま、本人たちがよければそれでいんですけどね。


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