不動産銘柄おまけのおまけ。

不動産銘柄シリーズ、(たぶん)最後のお話し。

・・・って単に書き忘れてた話をつけ足しとこう、ってだけですが。



不動産銘柄で最近、パッと見で業績好調で割安高配当利回りなものが多い、って話を書きましたが、このブログのタイトルにもある「優待」の観点から見ると、さらに魅力を感じるものが多いです。

これを見て「あ、これいい!! あ、これもいい!! よく見るとこれも!! おっとこっちも!!」とワゴンバーゲンセールよろしく優待コレクションを買い集めていくとたちまちポートフォリオが不動産銘柄だらけになってしまいそうですね。

でも、本当にそれって大丈夫でしょうか?


優待絡みで真っ先に脳裏をよぎる黒歴史といえばもちろんリーマンショックです。

保有コレクションが次から次へと大幅下方修正だの赤字転落だのに追い込まれ、経営破たんする会社も相次ぎ、そして株主優待の連鎖的な改悪・廃止の大連発。

あの時、優待改悪&廃止の嵐が吹き荒れる中、特にひどかったジャンルというか、キーワードを上げるなら「金券系」「長期保有優遇」そして「不動産」でした。

カゴメハウス食品など、自社商品系の優待は比較的被害が少なかった一方で、クオカードなど本業に関係のない金券系の優待を導入している会社で優待改悪&廃止が多くみられる傾向は顕著でした。
また、長期保有優遇制度を導入している会社で優待改悪が相次いでいた、というか、長期保有の安定株主を求めるあまり、過大な優待を導入し、業績悪化でそれを継続できなくなった会社も数多く。

そして当然ながら多額の負債を抱え、レバレッジを利かせて投資している分、ダメージも大きく深くなった不動産銘柄(特にデベロッパー系)は「優待廃止 ・・・・っていうか今、会社が存続できるかどうかの話してんだよヴォケェッ!!」って感じ。


そういえば金券系で長期保有優遇がある不動産銘柄、なんて三重苦優待銘柄もいくつもありましたね。
私もいくつか持ってたような気もしますが。


今の時期にそういう不動産系高利回り優待銘柄を買い集めることのリスク ・・・ってのはしっかり認識しとかないとホントに血を見ることになりかねません。

もちろん、ホントに何かが起こるのかどうか、なんて誰にも分かりませんし、起こるにしてもそれが明日なのか来年なのか5年後なのか10年後なのか、なんてのもまったく分かりません。
そのリスクが表面化するまでは業績好調が続くわけですから、自分は直前に脱出できる自信のある方がギリギリまで勝負をひっぱって稼げるだけ稼ごうとするのもありでしょう。

ただ、リスクを認識せずに無邪気に高利回り優待だけにつられて手を出すのはちょっとどうかな・・・・って話です。


いろんな考え方・感じ方があると思いますが、私は今の状況について、何か2007年あたりと似たような空気も感じられる気がしてなりません。
あの頃はデベロッパー系不動産銘柄の業績は「好調」なんてレベルのものではありませんでした。

巨額の借金で土地を仕入れてマンションを建て、売却して大きな利益を得て、それにまた巨額の借金でめいっぱいレバレッジをかけてさらに土地を仕入れてマンションを・・・(以下無限リピート)

「これ、一回失敗したら即死だよね」
って水準になろうとも高金利と引き換えに積極的にリスクをとって貸し込む外資系がいたりして、急拡大は続き、そしてリーマンショックで急ブレーキがかかって一気に資金繰りが悪化・・・ていうかほぼ即死、みたいな。

そういえばその後、もう一回不動産銘柄がめちゃくちゃ割安お買い得に見える場面があったんですよね。
リーマンショックで株価が落ちるところまで落ちたあたりで、某マネー誌の優待特集で「PER5倍で優待利回り10%超!! この優待銘柄がねらい目!!」みたいなのがあって、そんな不動産系銘柄がずらっと並んでた記憶があります。

「うん、確かにチャンスではあるのかもね。  ・・・・その前にその会社が生きてられたら、の話だけどね。」
って感じでしたが。
(要は「即死」はしなかったけど、まだかろうじて息はしてるけど傷は深く・・・っていうかたぶん致命傷・・・みたいな銘柄群。)


今の割安高利回りな不動産系優待銘柄群。

さて、10年後、皆さん生き延びておられますかねぇ。。。?