今は買い時?売り時?
日経平均の怒涛の連騰はようやくストップしました。
これをきっかけに相場は下げに転じるのか。
あるいは単なる押し目として、再び上げに転じるのか。
プロのアナリストやらなんとかストの皆さんのご意見も強気あり弱気あり、いろいろです。
今は乗り遅れずに祭りに参加すべき時なのか、それとも保有株は売却して暴落に備えるべきなのか。
悩んでおられる方も多いと思います。
私自身は、といえば、相場は相場、個別株は個別株。
相場がどうであろうが、個別株は個別にみて、買っていい水準のものは買う、そうでないものは買わない、自分の売却基準に触れてしまうレベルまで上がったものは売却、そこまで行かないものは放置プレイ、ってところでしょうか。
今回はちょっと気分を変えて、初心者の方への私なりのアドバイスをお送りしましょう(何様のつもりや、って怒られてしまうかもしれませんが・・・)
今の相場に過熱感があるのは否めません。
成長市場でもない日本株が、これだけ勢いよく上がるのはやはり多少の違和感は多かれ少なかれ、皆さん感じておられることでしょう。
その一方で、円安進行であったり、業績の拡大や株主還元の強化など、株高を正当化できる材料も十分にあるようにも思えます。
「明らかにバブル」というレベルでもないように感じます。
どっちなんでしょう。
私たちは一般論で言って、買うべきなんでしょうか、売るべきなんでしょうか。
あるいはまだ実際の投資に踏み切っておられない方は今スタートするべきなんでしょうか、もう少し様子を見るべきなんでしょうか。
結論から申し上げますと、私は「買うべき」だと思います。
ただし、無理のない金額で。
正直言いまして、今の水準から買っても大きな果実は期待できないと思います。
リーマンショックみたいなのが再来すれば、大きな含み損を抱えることになるとも思います。
だから買うならば超長期視点で、配当や優待などのインカム利回りに着目して、その利回りに満足できる銘柄であること、さらにその「第二のリーマンショック」を乗り越えて、その利回り+αを維持してくれることを期待できる銘柄であることを条件に買ってみることです。
「第二のリーマンショック」は直撃を喰らうことを覚悟して、腹をくくって、そして何よりもそれによって深傷・致命傷を負わないことを絶対条件に。
それだったら、その「第二のリーマンショック」が来るまで買わずに様子を見た方がお得なんじゃないか・・・・というご意見にも一理あると思います。
でも、私は賛成できません。
まずその「第二のリーマンショック」はいつ来るのか分かりません。
来年かもしれませんし、5年後かもしれません。
10年後、あるいは20年後ということだってあり得ます。
投資を見送れば、その間は全く何も得ることはできません。
そして何よりも、肝心の「待ちに待った第二のリーマンショック」が実際にやってきた時に、投資に踏み切ることのできる初心者、なんてほぼ皆無だと私は思います。
腹をくくって踏み切ることができたとしても、大嵐の中で適切に冷静に行動することのできる初心者、なんて存在するとは思えません。
その時に適切に冷静に行動するためには、それ相応の経験を積んでおく必要があるんです。
数えきれない失敗も経験すればいいと思います。
暴落や、痛み・恐怖も繰り返し経験しておけばいいと思います。
繰り返しになりますが、大切なのはそこで深傷・致命傷を負わないことです。
カミングアウトしてしまいますと、私は株式投資だけで資産5千万円まで到達しました。
これは私の投資センス・銘柄選択眼が優れていたからではありません。
リーマンショックとその後の長期低迷局面で怖がらずに全力買いを続けていた、ただそれだけのことです。
そしてそれが可能になったのは、それまで2年間ほど試行錯誤しながら、数えきれない失敗も繰り返し、大小さまざまな損失も被りながら株式投資に取り組んできた経験があったこと、そしてその損失が致命傷には至らなかったこと(信用取引など分不相応なリスクはとらなかったこと)によるものです。
リーマンショックの前触れともいうべきパリバショックのさらに半年ほど前、私はあるブログでアメリカワールドトレードセンターテロ(9.11)の直後の大暴落した株価を見る機会がありました。
いずれもその当時の株価の1/2とか1/3。
「こんな株価で買えたのか・・・ もうこんな水準で買えることは2度とないだろうなぁ。。。」
と、少し残念な思いをした覚えがあります。
その記憶が残っていたことは私にとって大きな幸運でした。
リーマンショックで目の前に広がる株価水準は、その記憶にある9.11直後の株価をもさらに下回る水準でした。
私にとってリーマンショックは100年に一度の危機ではなく、私が投資家として初めて経験する本格的バーゲンセールだったのです。
今、投資を始めようとしておられる皆さんに向けて、もう一度繰り返しで申し上げます。
今は本気で買いに向かう時期ではありません。
本気を出すべき時は、第二のリーマンショック(アベノミクスのクラッシュ?)が起こった時です。
今はその時に適切に行動できるよう、無理のない金額で実際に投資することによって、十分な経験を積むべき時です。
年利回り3%で満足できるなら、その利回りの配当や優待が得られる銘柄で、第二のリーマンショックが起こった時には直撃を喰らう覚悟は決めて腹くくって、そしてそのまま株価は見ないフリして持っとけば大嵐が過ぎ去った時には株価も配当も元通り+αになっていることが期待できる銘柄で。
(当然、その大嵐に耐えうる健全財務を持つ銘柄であることも大切です)
ついでに実際にその大嵐が来た時のアドバイスも付け加えておきますと、「今こそまさにその時!!」とアクセル全開で踏み込むのはやめた方がいいと思います。
例えばその時のために100万円の資金を用意していたとするなら、20分割くらいで毎月5万円ずつ、投資資金を追加するくらいの感じで緩くアクセルを踏む感じでちょうどいいのではないでしょうか。
「今こそまさにその時!!」は自分の勝手な思い込みで、本当の想像を絶する大嵐のホンの入り口だった・・・・なんてことは当たり前に起こります。
せっかく待機させていた100万円が半年後には30万くらいになっていた・・・ あぁここで買い向かえる資金が100万あれば・・・ なんて悲しすぎますよね。
一番深い底をピンポイントで狙い撃つなんて、神様だってできるものではありません。
20発〜30発のジャブを乱れ打って、広く網を張って大底をまるごとバサッとさらう感じで行けばいいと思います。
最後に、そのリーマンショック当時の株価がどんなものだったか、私の主要な保有株で付け足しておきます。
本当の大嵐っていうのがどんなものか。
株価というのはこんなところまで落ち得るものだということ。
そしてこの水準で恐怖に身がすくんで買いに走らない(あるいは狼狽売りしてしまう)ことの愚かさ。
そんなこんなを少しでも感じていただければ幸いです。
銘柄 株価 配当 (現在株価/配当)
きょくとう 330円 11円 581円/11円
アサヒビール 1954円 19円 3927円/48円
伊藤園優先 1100円 48円 1977円/50円
味の素 1264円 16円 2544円/26円
ビックカメラ 330円 10円 1261円/10円
ソフトクリエイト300円 10円 933円/20円
ブリヂストン 1745円 26円 4912円/120円
コマツ 900円 11円 2576円/58円
村田製作所 4900円 90円 20135円/200円
日東電工 2950円 40円 9382円/130円
トヨタ 3675円 45円 8515円/200円
ホンダ 1750円 63円 4276円/88円
マニー 2900円 45円 7980円/78円
SHOEI 890円 23円 2005円/64円
伊藤忠商事 826円 15円 1678円/50円
丸紅 490円 10円 719円/21円
この水準で買って、長期保有すれば誰でも大きな投資成果を得られるはずです。
まさにこれこそ、「本気で買いに入る」べき時なんです。