過熱する株主優待投資ブームに思うこと。

ネット上をさまよっていて、こんな記事( http://kibinago7777.blogspot.jp/2015/03/blog-post_8.html )を見かけました。
株主優待と高配当株を買い続ける株式投資ブログ 様)

優待愛好家の端くれとして、ほぼ全面的に共感できる内容でした。
そして、同時に優待愛好家は必ず頭の片隅に入れておくべき内容でもあり。


リーマンショックに続く冬の時代を覚えておられる方も少なくないと思います。
毎日のように株主優待の改悪や廃止が次々と発表され、自分の保有株も次々と被弾。

そのたびにすでに暴落していた株価はさらに一段と大きく下げ、損切りすべきか、耐え続けるべきかの判断を迫られました。



言うまでもありませんが、株主優待はいつでも縮小・廃止のリスクと表裏一体です。
金融ショック・経済危機で株価が暴落した時ほど、業績悪化に伴って優待廃止でさらに暴落に拍車をかける事態が発生するリスクは高まります。

株主優待銘柄への投資はある意味、自らリスクを高める行為でもあるのです。



実際に私が投資していて、優待の縮小や廃止で損切りに追い込まれた銘柄をリストアップしてみました。

Human21
アルデプロ
シーズクリエイト
トプコン
ゼンショー
JO.HD
ペガサスミシン製造
キング
ソルクシーズ
住友鋼管
アサックス
日医工
ノバレーゼ
阪急阪神HD
神戸電鉄
日新商事
オリコン
プロトコーポ
生化学工業
クロップス
塩水港製糖
カスミ
ダイトエレクトロン


我ながら結構いろいろと喰らってます(汗)。

JOやシーズクリエイトなど、最初からギャンブルと割り切って買った火遊び銘柄や、キングや住友鋼管など、十分な割安度を備えていて買値より上で逃げきれた銘柄もありますが、それにしても改めて振り返ってみると壮観です。

みきまるさんが提唱しておられる「優待エアバッグ」(魅力的な優待は暴落を一定水準で止める安全網としても働く)はある面では正しいのですが、当然、それはそのエアバッグそのものが外れてしまった時のリスクを高める面もあるのです。

コロワイドマクドナルドが優待を廃止した場合、株価がどこまで落ちるか想像してみて下さい。
「優待で銘柄を選択する」ことのリスクは、どんなに強調してもしすぎることはありません。

現在でも私は優待がなければ検討すらしていなかったであろう銘柄をいくつも保有しています。
でも、少なくともそのリスクをしっかりと認識し、自分がやっていることの意味を理解しているのと無邪気に優待だけを見ているのとでは全く意味が違ってきます。


株主を増やして東証1部に昇格したい。
自社の株価を底上げしたい。

流行に乗って、軽薄な理由で新設された優待は流れが変わればあっさり切り捨てられるもの。
リーマンショックでは「5年以上の長期保有優遇をうたっておきながら導入から5年以内で廃止」「優待導入から1年で廃止」なんていう、「うちの会社に誠意なんて求める方がアホでっせ」とでもいうかのような会社も少なからず目にしてきました。


株主優待はいつでも廃止されうるもの。

優待新設が相次ぎ、マネー誌で毎回優待特集が組まれる今の時期だからこそ、その大前提はしっかりと認識しておく必要があると思います。