経済フロントライン
土曜22時にBSで放映されてる経済番組。
録画してたのを今日、見てみました。
この番組、NHKの経済知識レベルを象徴するというか、まぁ番組のレベルとしては
「森永卓郎がしょっちゅうゲストに呼ばれてる時点で想像つくでしょ」
ってレベルなんですが、まぁ普段見られない内容もよく出てくるので毎回視聴してます。
(なかなか見られない業者や企業の現場の状況を見られる点を重宝してますが、そこから導かれる見解・結論がもう絶望的に見当違い・・・)
さて、今回の話。
冒頭に不動産投資家さんのお話が出てきました。
成功投資家Aさん。
約1億5千万の融資を受け、毎年200万の利益を享受中。
失敗投資家Bさん。
約1億8千万の融資を受け、アパート一棟、マンション3室を購入したものの、北関東アパートが入居率6割程度しか確保できず、生活費や定期預金を取り崩して返済に追われている。
Bさんコメント。
「銀行が簡単に貸してくれるから借りた面もある。
融資の際に、本当に返済できるんですか、とか、そのあたりを一声止めるような形で言ってくれてれば・・・」
Bさん、根本的に投資家適性ねーよプギャー!!
とか言っちゃダメですね、はい。
でも、正直、バカすぎやろとは思います。
大前提として投資は全て自己責任。
だまされてたとしてもそれはだまされた自分が悪いんです。
全てを自己責任で受け入れる覚悟を持って、最悪の事態も想定して、決断する。
そんなの基本の中の基本、初歩の初歩。
その程度も理解できない人が億を超える融資なんて過大なリスクを背負って投資、とか、カモネギ以外の何物でもありません。
根本的に投資家としての適性がないと思います ・・・ってやっぱり言ってるか(汗)
ま、Bさんはこのまま誰かの養分として死ぬまで頑張っていただけばいいとして。
個人的には
「Aさんって成功投資家なの?」
って点にもものすごく疑問を感じます。
1億5千万も融資受けて200万て。
ちょっと退去とか家賃下落とかあればたちまちマイナス転落ですやん。
ついでに1億5千万の融資で買ったその物件、売ったらいくらで売れますのん?
ってのも大きな疑問。
(ま、200万で「成功」とか思ってる時点で、その辺まともに考えてなさそうな気もしますが)
仮に10年間毎年200万の収入が続いたとして。
10年後に売却して1億3千万以下だったら「私のこの10年っていったい・・・」てことになるんですけどね。
(いくらで買ったのか知りませんけど、仮にフルローンで1億5千万で買ったとして、ね)
適当に割安健全財務な優待銘柄で優待込利回り3〜4%程度のを抱え込んで放置プレイ、の方が手間も利益もはるかによろしいんじゃないかと思ってしまうんですが。
不動産投資は出口まで含めて考えないと成功なのか失敗なのか、なんて分かりません。
単に「月収○万円」だけを求めるなら融資の年数を引き延ばして毎月の返済額を抑えればいいだけの話。
その結果は当然、トータルの支払利息は膨れ上がりますし、最終的な売却額もより厳しくなってしまいます。
この業界、上場企業が平然と詐欺同然(というか詐欺そのもの)な広告を打ちまくってますが、そんなのを無邪気に真に受けてるようじゃ話になりません。
投資家はまず何よりも疑い深く、ひねくれ者でないと。
「わずか3年で資産○億円達成!!」
⇒「その資産○億はいいとして、現時点での負債額はいくらなのよ」
「月収○十万円達成!!」
⇒「何室保有中何室退去されたらマイナス転落すんのよ、その場所の賃貸需要はどんなもんで、退去から入居までどのくらいかかるのよ、この先10年で家賃水準はどのくらい低下すんのよ、最後いくらで売れんのよ」
あたりの返しは条件反射で出てくるようでなければ。
数年前から無邪気にフルローンで地方の一棟ものを買い漁るサラリーマン投資家さんが大量発生してますけど、果たして10年後、そのうちどのくらいの方が生存しておられることやら。
考えると頭が痛くなってきます。
せめて私の近所で木造築古狭小戸建への投資で行き詰って破綻して私のエサとなってくれるなら大いに結構な話ですが、北関東とかのRC一棟ものとかでいくら破綻されても私に恩恵ないじゃないですかww
世の中、そんなにうまい話はそうそう転がってません。
「不労所得」ってのはそれ相応の努力・労力や知識・知恵あるいは運の上に成立するものです。
銀行から融資引ければそれだけで達成できる、なんてことはまず絶対にあり得ません。
少なくとも、「不動産投資で不労所得」ってのは数千億レベルの資金があってはじめて成り立つ話ですよ。